営業の課題は”思考✖構造”で解決できる|営業の再現性を高める方法

思考する営業×構造化


この記事でわかること

  • 意思決定プロセスが複雑な法人ビジネスにおいて、なぜ営業担当者は「場当たり営業」に陥りやすいのかの原因を明らかにします

  • その対策として、営業プロセスを体系化・構造化し、再現性の高い仕組みを実現するための具体的なアプローチの概要をお伝えします

  • 机上の空論ではなく現場で真に役立つ「型=フレームワーク」を身につけることで、自信を持って営業活動をドライブさせるための要諦を理解して頂けます


👨🏼‍💼営業の初心者

👩🏼‍💼中堅営業担当者

🧑🏼‍💼営業マネージャー



その複雑さのために、意思決定にかなりの時間を要します。私の経験でも、1年以上の期間を費やして、ようやく成約に辿り着くことも珍しくはありません。このため、営業担当者はときに現在の立ち位置を見失うことも少なくありません。

法人ビジネスの特徴

❶ 多層的な意思決定構造

❷ 意思決定の長期化

❸ 営業活動の迷走

現場経験から|意思決定プロセスの長さは海外も同じ?

多層的かつ長期にわたる意思決定プロセスは、日本特有なものと思っていました。

ところが、私の働いていた外資系会社の海外営業拠点の営業担当者に聞いてみると、「忘れた頃に突然、契約の話持ち上がる」とのことで、状況は同じなんだなあと驚きました。



このように、複雑かつ長期的な法人ビジネスではゴール(成約)の地点(時期)が見えににくいため、営業計画を立てることが難しくなります。その結果、以前の私もそうでしたが、営業活動が場当たり的になり、外部環境に左右されるということになります。

私が40年近い経験からわかったことは、営業プロセスは、幾つかの要素で構成されているということです。要素のわかりやすい例は、「ステージ(進捗)」です。つまり、営業プロセスは複数のステージで構成されているということです。

営業活動が場当たり的というのは、本来ならステージごとに適切に実施すべき営業活動がなされていない、ということなのです! この営業プロセスの「要素分解」が最初の重要なステップです。

次に、その各ステージ毎に適切な営業活動を規定します。しかも、それらを言語化または可視化することで、しっかりと当該活動が実施されているかを担当者個人が自己チェックするだけでなく、営業組織としてもモニターすることで、営業成績の安定が図られます。

  • 営業プロセスを複数の要素(例:ステージ=進捗)に分解する
  • 各要素ごとに適切な営業活動(やるべきこと)を規定する
  • やるべきことを言語化・可視化する
  • 営業担当者および営業組織がそれらを定期的にモニターする

それぞれの項目における具体的な内容は、別の記事で順次、解説していきますが、全体の骨格はこの流れ、つまり営業プロセスを体系化・構造化すること(以下、「構造化」)を徹底することです。私は、これを継続することで、営業成績に一喜一憂することなく、自信をもって営業活動を進めることができたのです!



なお、ここで強調したいのは、営業プロセスを構造化して「型」として整えること自体が最終的な目的ではないという点です。型そのものが機械的に成果を生むわけではありません。

重要なのは、その型(フレームワーク)の中で状況を捉え、仮説を立て、考え抜く「思考」が伴って初めて、型は本当の力を発揮するという点です。むしろ、「思考が」が”主”で、それを具現化する「構造化」が”従”なのです!


現場経験から|サッカー日本代表の課題
本連載の核心となる部分ですが、「構造」と「思考」は強固な掛け算の関係にあると思っています。つまり、どちらか一方がゼロであれば、その掛け算の結果である営業成果も完全にゼロになってしまうということです。

この両者の相関性は、先のワールドカップで露になった日本サッカー代表チームにおける「組織」と「個の力」の関係に酷似していると思いませんか?日本代表は世界レベルの「組織的サッカー」を標榜ひょうぼうして戦いに挑んだものの、敗戦後のコメントでは一様に「個の力が足りなかった」という課題が口にされていました。組織としての戦術(構造)がどれほど優れていても、局面を打開する個人の力が伴わなければ、世界の壁は崩せないという実態です。

これは営業の現場でも全く同じことが言えることを、私は身をもって経験しました。どれだけプロセスの構造化を進めて完璧なフレームワークを整えたとしても、それによって最前線の営業担当者が思考停止に陥ってしまえば、何の意味もありません。

フレームワークという強固な土台の上で、一人ひとりが顧客のために深く考え抜くことに尽きます。だからこそ、「構造」と「思考」の掛け算が不可欠なのです。




本記事の要約

  • 法人ビジネスは、意思決定プロセスが複雑(多層的かつ長期)なため、営業担当者は迷走しがちになり、結果、場当たり的な営業活動になってしまう

  • 営業プロセスを複数の要素に分解し、その要素ごとに適切な営業活動(やるべきこと)を規定し、言語化・可視化することが重要(営業の構造化)

  • しかし、こうした構造化はあくまで「従」であり、「主」はその要素単位で考え抜く(思考する)こと

法人営業のプロとして、営業パーソンにとって、「考え抜くこと」が存在価値であり、それを具現化するためには構造化という「型」が重要なのか、そしてどのように実践すれば成果が安定し、環境に左右されない真の営業力が身につくのかを網羅的に解説していきます。


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