営業スタイルは重要か?|「あなたはハンター型かファーマー型か?」

思考を深める補助線


この記事でわかること

  • 本記事では、ハンター/ファーマーという営業スタイルの違いを入り口にしながら、スタイルの裏にある経験を体系化・構造化することの重要性をお伝えします

  • 営業スタイルにこだわらず、状況に応じて最適な判断を下すための「営業思考の型」を整理することで、再現性のある成果につながる視点を得られるはずです

  • 営業経験の浅い方はもちろん、長年営業を続けてきた方にとっても、自身のスタイルを再定義し、営業活動をより体系的に捉え直すきっかけになる内容です

私自身、外資系企業の入社時面接で、「あなたの営業スタイルはハンター型か、ファーマー型か」という質問がよく投げかけられました。

動く獲物を追いかけるハンターと、作物を育てるファーマーという比喩は、営業の「アプローチ」を分かりやすく説明するためのものです。圧倒的な行動力で新規開拓を得意とする人はハンター型、特に既存顧客と時間をかけて深い信頼関係を構築する人はファーマー型といった分類は、営業の世界では広く浸透しています。外資系らしい、ストレートな質問とも言えるでしょう。

私も経験がありますが、面接を受けた会社が新規開拓の人材を求めていることが分かっている場合、この質問に対して「私は、ファーマー系です」と答えるのは、なかなか勇気がいることです。

しかし、40年弱の法人営業の経験を振り返ると、このスタイル分類だけでは説明しきれない場面が多く存在します。新規開拓の局面でも、既存顧客の深耕でも、状況によって求められる判断や行動は大きく異なります。

つまり、営業成果を左右するのは「どちらの型か」という固定的なスタイルではなく、複雑かつ流動的な営業場面において、自身の営業活動をどのように体系化し、どのような判断軸を持って行動するかです。

あたなの営業スタイルは、ハンターか、ファーマーか?

「ハンター型か、ファーマー型か?」という質問の背景には、おそらく「ハンター型」の方が新規開拓営業としては優れているという思い込みがあるのでしょう。ゼロから新規契約を獲得するのも、既存顧客から追加契約を受注するのも、会社の収益への貢献度という点ではまったく同じはずなのに、なぜか前者の方がスポットライトを浴び、高く評価される、私自身、そんな現場を幾度となく目の当たりにしてきました。

天性の嗅覚、つまり、獲物の見極めと仕掛けるタイミングについて、ファーマーにはない優れた性質を持っているという思い込みです。




  • 必要・有効な情報を入手し、整理する
  • 状況を分析、評価する
  • 蓋然性の高いシナリオに適した最適な戦略を立てる
  • その戦略を実行するための準備をする

「ハンター型」という言葉からは、鋭い嗅覚や本能で獲物を仕留めるイメージが連想されがちです。しかし、実際に成果を出す人は、ハンター型であれファーマー型であれ、例外なく自分なりの「型」を持ち、それに基づいて判断しています。

たとえば、ハンター型の人が「獲物の見極め」や「仕掛けのタイミング」を重視するのは、瞬間的な勘ではなく、過去の経験から形成された判断基準があるからです。ファーマー型の人が顧客との関係を育てる際も、同じように情報整理と戦略設計を行っています。



しかし、こうした過去の経験を経験として終わらせるだけでは、営業の成果を安定さることは難しいのです。経験をもとに新たな情報や学びを加え、それを体系化・構造化していくことで、ようやく「型」が完成します。




本記事の要約

  • ハンター系/ファーマ系に代表される営業の「スタイル」の違いは、表面的なものにすぎない

  • 重要なのは、経験を体系化・構造化することで、「型=フレームワーク」を完成することであり、それによって営業成果の安定と再現性が図られる

  • 「型=フレームワーク」をもとに常に考え、この「型」を深化・深化させるプロセスことが「思考×構造化」である

営業スタイルはあくまで表面的な分類にすぎません。営業プロセスを分解し、構造化することで、再現性のある成果を生み出すための判断が、より確かなものになっていきます。


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了