営業の構造化アプローチ(第1回)
第1回:営業の悩みは”構造×思考”で解決できる(この記事)
第2回:営業の再現性が失われる理由
第3回:バラバラの営業を再現可能な型に変える方法
第4回:営業をステージで設計する
第5回:営業の構造化が失敗する3つの理由
営業に携わる方であれば誰しも、営業成績のプレッシャーを常に感じるものですよね。思うように成績が上がらないと「自分には営業センスがないのでは…」、「営業のやり方が間違っているのでは…」などと不安になることもあるでしょう。
このブログは、そんな悩みを抱える営業パーソンやマネージャーの方に向けて営業センスや属人的な経験に頼らない営業の方法論をお伝えする専門ブログです。
私が30年以上にわたり営業の現場で積み重ねてきた経験をもとに、営業プロセスを体系化・構造化し、再現性のある営業を実現するための考え方をお伝えしてきます。机上の空論ではなく現場で役に立つ形で、自信をもってお届けします。
Q: このブログの対象はどのような人?
以下のような営業の携わる方には、ぜひ読んでいただきたい内容になっています。
■ 営業ビギナー
これから営業を始める、または経験が3年未満の営業初心者
■ 中堅営業担当者
営業経験はそこそこなのに、成果が安定せずノルマにおわれ続けている組織の中核メンバ
■ 営業マネージャー
メンバーの経験やスキルがバラバラで、チーム全体の成績が安定しない営業組織の管理者
Q: 営業を構造化する必要性は? ー 再現性が失われる要因
当ブログは法人営業(またはB2B)を対象としています。個人向け営業も法人営業も本質は同じですが、法人営業には特有の複雑さがあります。例えば、複数のステークホルダー(社内外の関係者)が関与し、意思決定のレイヤーも多層的です。さらに意思決定プロセスは長期化しやすく、機関決定や根回しなどの社内プロセス、経済合理性や社内ルールが重視されるため、営業パーソンが考えるべき要素は格段に増えます。

こうした環境では、営業パーソンが迷走し、五里霧中に陥ることも珍しくありません。だからこそ、営業プロセスを体系化・構造化し、効果的な「型(フレームワーク)」を導入することが必要不可欠なのです。
ただし、ここで強調したいのは、営業プロセスを体系化・構造化して「型」として整えること自体が最終的な目的ではないという点です。型そのものが機械的に成果を生むわけではありません。 重要なのは、その型(フレームワーク)の中で状況を捉え、仮説を立て、考え抜く「思考」が伴って初めて、型は本当の力を発揮するという点です。
このブログ全編を通じて一貫して重視しているのは、営業の本当の付加価値は「思考」、つまり「考えること」にあるということです。思考の質を高めていくことで、経験の長さやセンスの有無に左右されることなく、営業成績は持続的に伸ばすことができます。さらに、その”考える営業”が組織全体に浸透することで、再現性の高い営業チームの醸成につながると私は考えています。
営業プロセスの構造化と考えることの関係と流れを詳しく示すと以下の通りです。
- 営業の付加価値は”思考の質”で決まる(営業成果を左右するのは経験やセンスではなく、”考え抜く”ことにある)
- 思考の質を高めるためには、営業プロセスを体系化する必要がある(法人営業は複雑で情報量が多く、そのままでは思考が迷走しやすいため、全体を整理することが出発点となる)
- 体系化した営業を構造化すると、再現性のある「型(フレームワーク)」が生まれる(営業ステージや要素ごとに分解し、論理的に整理することで、誰でも使えるレームワークとなる)
- 型の下で状況を捉え、仮説を立て、考え抜くことで成果が最大化される(型は思考を支える土台であり、機械的に使うだけでは成果は出ない。)
- 再現性のある「考える営業」の蓄積が組織営業を強化する(個人の思考が組織に積み重ねることで、営業力が底上げされる)
- だからこそ、営業担当者は体系化・構造化・型化アプローチを身につけるべきである(構造化×思考の掛け算が営業の質と成果を引き上げる)
再現性のある営業を実現するために ー “構造×思考”で解決
冒頭に申し上げた通り、私は30年以上、法人営業の最前線に立ち続けてきました。その中で、私自身も、そして本当に多くの同僚や友人たちも、営業という仕事に苦しみ、迷い、時には自信を失う姿を見てきました。一方で、営業とは不思議なもので・・・商品や環境さえ良ければ、初心者でもノルマを達成できてしまうものでもあります。いわば結果論がまかり通ってしまう世界でもあります。
しかし、私はこのような営業を「環境依存の営業」と呼び、決して評価していません。なぜなら、このタイプの営業には共通して、再現性のある営業の型を持っていないという致命的な弱点があるからです。長い年月をかけて、私はようやく営業の本質にたどり着きました。これから数回にわたり、法人営業のプロとして、営業の「型」がなぜ重要なのか、そして、どう実践すれば成果が安定し、環境に左右されない営業力が見につくのかをお伝えしていきます。どうぞよろしくお付き合いください。

