【営業の構造化】構造化が失敗する3つの理由|導入時の組織的な壁を乗り越える定着への対策

営業の構造化アプローチ

営業の構造化アプローチ(第5回)

前回の記事でも述べた通り、営業の構造化アプローチは、組織と営業担当者個人の両方にとってメリットがあります。構造化アプローチがつまずく要因を議論する前に、改めてメリットについて復習したいと思います。

【構造化アプローチのメリット】

営業担当者にとってのメリット

営業組織にとってのメリット


ここでは営業の構造化アプローチの課題について説明します。大きくは次の3つが考えらます。

❶ 施策が「自己目的化」しやすい

構造化アプローチの本質を理解せず進めてしまうと、各施策を「こなすこと」が目的となってしまい、形式主義的な罠に陥りやすくなります。これこそが構造化アプローチが直面する大きな課題です。

このため、構造化アプローチ導入の理由を理解しない営業担当者にとっては、「やらされ感」が強まり、顧客理解や仮説精度の向上といった本来の目的が達成されず、実効性のある浸透が困難になるという悪循環が生まれます。


❷ 作業負担や時間的制約により不十分な対応に終わる

構造化アプローチを進めるためには、自身の顧客に関する情報収集、課題分析、仮説の立案、施策の検討、振り返り・反省の思考サイクルを回すことが必要となります。

しかし、これらをレポートや社内会議という形で可視化、言語化しようとすると、どうしても作業負担が増え、営業担当者からは「過剰な作業だ」「作成に割く時間がない」という不満が生まれやすくなります。


❸ 施策の導入と効果に時間がかかる

フレームワークの構築自体はそれほど時間を要するものではありませんが、組織内に構造化アプローチに不慣れが人がいると、その理解には時間がかかり、組織内での浸透・定着も一朝一夕には進まない可能性があります。

また、営業テクニックとは異なり、導入後すぐに効果が表れるものでもないため、導入の効果を体感する前に形骸化してしまうリスクもあります。

構造化アプローチの導入には課題が伴うのは事実です。導入には時間がかかるため、導入途中で形骸化したり、効果が表れるまで待てず自然消滅したりすることも少なくありません。そうならないためにも、導入時には以下の対応を導入時から徹底する必要があります。


a. 3つの阻害要因への対応

課題
作業負担や時間的制約による不十分な対応に終わる

課題❸
施策の導入と効果に時間がかかる

いずれにおいても、導入が効果を発揮するための大前提は、営業担当者が構造化を正確に理解することにつきるとといえましょう。

構造化アプローチが抽象的な「概念」だとすれば、フレームワークはその概念を実務に落とし込むための「型や設計図」にあたります。そして、このフレームワークが形骸化するのを防ぎ、日々の施策や会議体として機能させるための運営インフラこそが「プラットフォーム」です。組織に導入する際は、この関係性を正しく整理しておく必要があります。


プラットフォームをどうデザインするかは、現場との関係性が深いことから、非常に重要です。プラットフォームの設計に際し、陥りがちな失敗には2つあります。

営業を構造化する際は、これら相反するリスクのバランスを冷静に見極め、現場にとって「現実的」でありながらも、本来の「変革の目的」を見失わないインフラ運営が強く求められます。



構造化アプローチの導入には多くのメリットや効果がある反面、導入に際しては❶各種施策が目的化しやすい、❷作業負担や時間的制約などにより不十分な対応となる、❸導入と効果に時間がかかる、といった課題が伴います。

だからこそ、導入の際には、現状を踏まえつつも目的を見失わないプラットフォームの設計と、営業担当者の理解促進および一定の強制力・モニタリング管理が導入成功の鍵となります。

構造化アプローチは「型(フレームワーク)」を押し付けるものではなく、営業を再現可能にし、組織として強くなるための基盤作りです。その本質を共有しながら、着実に浸透させていくことが大切です。

営業の構造化アプローチを体系的に学ぶ
本記事は、営業プロセスを構造化し、再現性のある営業成果を実現するための連載シリーズです。初期フェーズから解約防止に至る全プロセスの全体設計図は、以下の一覧ページにすべてまとめています。