営業の構造化アプローチ(第2回)
第1回:営業の悩みは”構造×思考”で解決できる
第2回:営業の再現性が失われる理由(この記事)
第3回:バラバラの営業を再現可能な型に変える方法
第4回:営業をステージで設計する
第5回:営業の構造化が失敗する3つの理由
このブログは基本的には「法人営業」を対象としています。しかし、本質的には個人を対象とする営業も同じ構造で成り立つと考えています。いずれにしても、営業を組織やチームとして取り組んでいる方々に向けた内容です。その前提で、ぜひ読み進めてください。
Q: なぜ営業成績にバラつきが出るのか? ー 再現性を失う典型的な非構造アプローチ
営業という職種は、担当者個人の裁量領域が大きいがゆえに、サイロ化(個人商店化)しやすいという構造的な弱点を抱えています。できる営業パーソンほど「この顧客のことは自分が一番よく知っている」という自負もあり、周囲はその営業パーソンの営業活動に口を出ししにくい空気が生まれがちです。
しかし、その結果、情報が一元化されず、組織としての意思決定が遅れたり、営業担当者ごとの成績にバラつきが生まれ、組織全体のパフォーマンスが不安定になる、つまり再現性が担保されないという最も刻な課題を抱えることになりがちです。

組織運営の問題に加えて、営業担当者が陥りやすい「非再現」的な営業スタイル(スタイルとは呼ぶべきではないのかもしれませんが)を以下に列挙してみました。
✖ カタログ営業
商品の特徴やスペックを並べて説明するだけの、受動的で差別化しにくい営業スタイル
✖ 場当たり営業
明確な戦略や計画をもたず、その場の思いつきで動くことで、成果が偶然に左右される不安定な営業
✖ 環境依存の営業
景気・市場・トレンド・競合の動向といった外部要因の良し悪しに成績が左右される営業
営業のサイロ化や、上で挙げたこれらの営業スタイルに共通するのは、組織として再現性がまったく担保されないことです。だからこそ、営業組織が安定して成果を出すためには、営業担当者の行動を型(フレームワーク)化し、そのプロセスを可視化された基準で遂行を管理するという、「構造化された営業」が不可欠なのです。属人的な営業から脱却し、誰がやっても一定の成果が出る仕組みをつくることこそ、営業組織の本質的な課題解決につながります。
関連記事
「構造化」の考え方をすぐに知りたい方は、『バラバラの営業を再現可能な型に変える方法|体系化と構造化の全工程』に詳しくまとめてあります。
Q:営業における川上と川下は何が違うのか? ー テクニックとフレームワークの本質的な関係
ところで、世の中には営業の啓発本は数多くありますが、日本ではなぜか営業スキルや営業テクニック偏重の傾向が強いように感じます。例えば…
● 営業マンは〇〇するな!
● できる営業マンの〇〇方法
● トップセールスの〇〇力
こうしたタイトルが象徴的です。外部研修も、プレゼン研修やネゴシエーション研修など、基本的にはテクニック中心の内容が多いのではないでしょうか。
一方で、戦略の分野になると、マーケティング戦略の書籍が目立ち、営業プロセス全体を体系的に捉えた書籍は驚くほど少ないという印象です。しかし、会社対会社の法人営業においては、本来は組織として営業プロセスを共通言語で扱うことが求められます。この組織的な枠組みや型を私は「営業フレームワーク」と呼んでいます。
つまり、営業プロセスを構造として理解し、体系化・構造化することこそが、組織営業の土台となります。当ブログのカテゴリーを「営業の構造化」としている理由は、まさにここにあります。

誤解していただきたくないのですが、私は営業テクニックや営業スキルの重要性を否定しているわけでありません。むしろ、必要といえましょう。ただし、それはあくまで「川下」の話です。一方で、営業フレームワークは「川上」に位置付けられます。
ここでいう川下とは、川の流れの末端に位置し、上流の影響を強く受ける部分を指します。つまり、川上(営業フレームワーク)が整っているからこそ、川下(営業テクニック)が活きるのです。
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営業テクニックは川の流れの末端「川下」に位置づけられ、上流の「川上」である営業フレームワークの影響を強く受けます。この両者の関係性は、『営業の本質は「川上」にある』にまとめています。


