別稿( 関連記事 「営業の再現性が失われる理由」の中で、営業テクニックや戦術を「川下」、営業の構造・戦略を「川上」と定義し、川下は上流である川上の営業を強く受けることをお伝えしました。
営業テクニックや技術は様々な方法があってよいし、営業担当者個人の性格や強み、顧客のタイプ等によって最適解が変わる「可変領域」または「変数」です。つまり、唯一の正解は存在せず、むしろ多様であってよい領域です。
一方、川上に位置づけられる構造は、営業の本質に関わる部分です。つまり、営業の本来的な役割や機能という上位概念であり、「不変領域」または「定数」と言えましょう。ここを理解しないままテクニックを磨いても、成果は偶発的になり、再現性は生まれません。

したがって、的確な営業プロセスを構築するためには、まず「営業とは本源的にどのような機能を果たすべき存在なのか」を明確にする必要があります。
この本源的な機能を正しく理解することで、①その機能を十分に果たすためのファクター(要素)が定義づけられ、②それらを確実に実行するための経時的な管理プロセスが策定される、という”川上”→”川下”の一貫した流れが生まれます。
ここで補足すると、「機能」と「構造」は同じ川上に属しながらも、階層が異なるという点です。
■ 機能(Function)
営業という役割が本源的に果たすべき “目的そのもの”。
例:価値の創出、顧客課題の発見、需要の形成、案件の創出、関係構築など。
■ 構造( Structure)
その機能を確実に果たすために設計される枠組みやプロセス。
例:案件創出プロセス、顧客セグメント設計、KPI体系、既存顧客管理フローなど。
つまり、 機能が「何を果たすべきか」を規定し、構造は「どう実現するか」を規定することになります。この階層を押さえることで、営業組織は “本源的な機能 → 必要なファクター → 経時的な管理プロセス” という一貫した川上設計が可能になります。
つまり、営業の成果は、テクニックの巧拙ではなく、川上の構造だけ本質的に設計されているかで決まります。やや抽象的な内容になりましたが、「営業の構造化」の記事でより具体的にお伝えしていきたいと思います。
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