【営業の構造化】案件獲得の中盤戦|提案の質と障害解決力を高めるロードマップ

営業の構造化アプローチ

営業の構造化アプローチ(第9回)


「顧客の求めるスペックと合致した商品を提案したのに、他社に案件を取られてしまった…」
「素晴らしい提案をしたはずなのに、なぜか選考の途中で案件が自然消滅してしまった…」

法人営業の中盤戦で起きやすいこれらの失策は、商品力の差ではありません。提案が「ロングリスト」から「ショートリスト」へ絞り込まれる本格交渉の裏で、顧客の「潜在ニーズ」と「見えない障害」を可視化できていないことが真の原因です。

本記事では、30年超の法人営業の現場で培った「思考の質」をもとに、中盤フェーズで直面する「表層に現れない顧客の情報」を探り当て、勝率を劇的に高める「商品提案」から「障害の特定・解決」に至る実務アクションを徹底解説します。

この記事で、案件の自然消滅を防ぎ、成約へドライブさせる高品質な情報収集の型が手に入ります。

法人営業における提案の成否は、プレゼン自体の巧拙だけでなく、「事前の思考の質」で9割が決まるといっても過言ではありません。

顧客が語る表層ニーズに終始せず、その裏にある真の目的を探り出し、それに向けて首尾一貫したメッセージングを作り上げ、一本のストーリーとして競合他社を凌駕する説明力を用意をしなければいけません。


a. 競争力のある商品提案を構成する「4つの思考ポイント」

以下は、競争力のある商品提案を構成する「4つの思考ポイント」について、解説しています。

顧客ニーズとの「ギャップ」を把握する

自社商品の「強み」を複数訴求する

徹底して「競合商品」を分析する

首尾一貫した「メッセージング」設計


法人営業(B2B)では、意思決定プロセスに複数のレイヤーが関わるため、提案後はどうしても動きが見えにくい期間が生まれ、それが長期化しがちです。営業担当者はどうしても動きのある案件に注力しがちなため、フォローが途切れたまま放置され、結果として案件が自然消滅してしまうケースもよく見られます。


a. 提案後に注力すべきアクション

この提案後の停滞期間の対応こそが、案件の勝敗を左右する最重要フェーズといっても過言ではありません。当ステージにおいて営業担当者が注力すべき3つのアクションは次の通りです。

  • 提案後の情報収集とフォローアップ
    • プレゼンなどの提案の場で出た質問や疑問に答えるだけでなく、その背後にある懸念を推測し、適切なフォローアップを継続する
    • 提案後も情報収集を止めず、このステージで収集すべき情報を収集する
  • 障害要因・交渉ポイントの洗い出しと特定
    • 得られた情報をもとに、致命傷となり得る障害要因をできるだけ多く洗い出し、対処すべきアクションの優先度・重要度を判定する
    • 顧客の要望と自社の方針にズレがある場合は、顧客と交渉する必要があります。障害要因の解消を並行して、交渉準備を進めることが求められます
  • 解決策の準備と実践
    • 判明した課題への対策を、優先度の高いものから計画的に着手する
    • 交渉が必要な場合には、交渉過程で新たな情報が得られることも多いため、状況に応じて計画を柔軟に更新する


b. 情報収集のポイント

このステージならではの収集すべき情報があります。以下は、契約獲得に資する「高品質の情報」を取るための具体的なアクションとその期待される効果について整理しています。

□ 質問の背後にある“真の疑問”の特定

□ ネガティブ情報の積極的な収集 

□ 情報収集の体系化


当ステージで収集すべき情報の4分類

競合差異の徹底比較

評価基準の確認

機関決定プロセスの特定

キーパーソン等の見極め


初回のコンタクトから、この「❹ 成約に向けた障害の特定と解決」に至るまでの道のりは非常に長く、業界によっては数年に及ぶこともあります。しかし、この長い旅路を「ステージ」という営業プロセスを構成する要素に分解し、各ステージで取るべきアクションをロードマップとして設計します。

そして、各ステージで質の高い情報の収集を継続し、アップデートされた情報をもとに進むべきルートを臨機応変に変更していくことこそが「ビジネスをドライブすること」であり、営業の構造化アプローチの真髄と言えます。

営業の構造化アプローチを体系的に学ぶ
本記事は、営業プロセスを構造化し、再現性のある営業成果を実現するための連載シリーズです。初期フェーズから解約防止に至る全プロセスの全体設計図は、以下の一覧ページにすべてまとめています。