営業プロセスを分類する具体的な方法|営業ステージの分類法と各ステージの最適アクション

営業の構造化アプローチ

営業の構造化アプローチ(第6回)

構造化アプロ―チでは、営業プロセスを複数の構成要素に分けて整理しますが、その際にどの基準で分類・分解するかは極めて重要になってきます。私自身は、「営業ステージを基準にした分類」が最も理解しやすく、営業担当者の行動にも直結しやすいと考えています。営業ステージを分類するということは、つまり、営業プロセスを「時間軸」や「進捗管理」の観点から見るということです。

営業ステージ以外の分類例

もちろん、分類基準はステージだけではありません。例えば、次のような切り口もあります。

  • セグメント基準:顧客属性や顧客重要度など
  • 役割・担当基準:新規開拓、既存深耕、マーケティングなど
  • 営業担当者の管理基準:営業担当の顧客カバレッジレベル、個々の顧客ㇾベル

いずれの基準であっても、組織が抱える課題に直結する基準であることが望ましいと言えます。特に法人営業(B2B)の営業プロセスは長期かつ複雑であるため、顧客ごとに「今どのステージにいるのか」を正しく把握し、そのステージに応じた適切なアクションを取ることが成果の鍵となります。そのため、この記事では「営業ステージ」を基準にした構造化を扱います。
なお、要素の分解は構造化が前提となりますので、単一基準の構造にこだわらず、複数基準を組み合わせて管理することも有用です。

Q:営業ステージの一般的な分類とは?

営業プロセスをステージで分解する区分は、業種や業態によっても多少変わってきますが、「リード獲得」、「ニーズ分析」、「提案」、「クロージング」、「アフターフォロー」などが一般的です。いずれにせよ、自社の実態に即したステージ分類であること、そして自社組織の区分け(機能や役割の区分)との親和性があることを考慮したうえで基準を決定することが重要です。
私が以前所属していた業種では、営業プロセスを次の6つに分類するのが一般的でした。

  • 潜在顧客の探索 (Prospecting)
  • 見込み客への絞り込み(Qualifying)
  • 商品提案(Proposal)
  • 成約に向けた障害の特定と解決(Handling Objection)
  • 成約(Closing)
  • 関係維持・解約防止(retention)

成約(Closing)までのプロセスをどこまで細かく区切るかは、対象顧客が属している業種やビジネス慣行に応じて調整が必要です。また、成約で終わりではなく、成約後の関係深化が重要なビジネスであれば、成約以降のステージを細分化することも必要です。例えば、解約を防止したり、トップアップ(同商品の追加購入)やクロスセル(関連商品の購入)の重要性が高いのであれば、特にこれらの工程の設計を設けるべきです。

ステージに応じた「適切な行動」を規定することが核心

営業ステージ分類の目的は、単にプロセスを区切ることではありません。各ステージにおいて「何をすべきか」を明確に定義づけることこそが核心です。これにより、(1)ステージに応じた最適なアクションが取れる、(2)やるべき行動の漏れやズレを組織として管理できる、そして(3)属人的な判断を排除し、再現性を高められる、といった効果が生まれます。
よく見られる「ズレた行動」の例としては、次のようなものがあります。

  • まだ顧客の潜在ニーズを十分に把握していのに、いきなり自社商品の紹介を始めてしまう  
     何がズレている?  案件はまだ初期段階なのに、先走ったアクションをとっている
  • 顧客が価格比較やアフターサービスの検討段階に入っているのに、自社商品の特徴ばかり訴求している
     何がズレている?  案件は進んでいるのに、アクションが初期段階のまま
  • 解約兆候が出ているのに、それに気づかず、クロスセルの紹介を始めてしまう
     何がズレている?  本来は顧客の不満や懸念を早期に把握すべき段階なのに、追加提案ばかりしている

こうしたずれは、ステージとアクションが紐づいていない組織で頻発します。
次回では、各ステージで「取るべき行動」について具体的に紹介していきます。ステージとアクションの両設計が結びついたとき、営業プロセスは初めて「構造化」され、再現性のある強い営業組織へと転換されます。