【営業の思考】勝つ営業は「敗因」から探す

営業の思考(コラム)

競合他社との厳しいコンペにおいて、私たちはつい「自社が勝てるポイント」ばかりを中心に訴求してしまいがちです。しかし、本当にそれだけで十分だと言えるのでしょうか?

実は、選考のステージが進むにつれて、顧客の評価基準は劇的に具体化していきます。今回は、コンペ最終盤の激しい競り合いを勝ち抜くための、営業における視点の切り替え方について解説します。


本記事では、30年以上の法人営業の経験をもとに、「勝てる」という視点からではなく、「負けるとしたらどこか」という敗因の観点から、最終的な勝率を極限まで高める方法について解説します。



「勝てるポイント」中心の提案が招くリスク

a. 敗因となりそうな要素の洗い出し

  • 商品スペックが顧客のニーズと微妙にずれている
  • 価格がライバル社より若干高い
  • 納期がライバル社より遅い
  • 決裁する役員が着任直後で、商品に対する理解が浅い
  • 相手企業の役員クラスと直接コンタクトがとれていない
  • 顧客役員とライバル社の役員が懇意
  • アフターサービスがライバル社より弱い
  • カスタマイズの自由度がライバル社より低い
  • 自社商品に最近大幅な改訂があった      

顧客の意思決定は複数の要素(ファクター)で構成されている以上、それらを丁寧に分解していく作業が欠かせません。

情報や事象の構造を分解することに慣れてくれば、一定のカテゴリーごとに過不足なく列挙できるようになります。

b. 敗因リスクの高い要素から先に手を打つ

特に、コンペの最終局面において致命傷になりかねない「蓋然性の高い敗因」としては、主に以下のような要素が挙げられます。

  • 十分な情報が入手できておらず、競合商品との比較が不十分な領域
  • アフターサービス等、契約に付随する要素のうち、現時点で顧客に確認が取れていない領域
  • キーパーソンとの接触が弱いために、採用における評価基準の内容が取得できていない領域

上記に示した図のように、「どの要因で負ける可能性が高いか」を、「商品スペック」「価格」「関係構築」などの項目ごとに細かく分解し、現在の対応ステータス(未対応・一部未対応など)と優先順位(Priority)を明確にすることが重要です。

たとえば、「顧客サービス」が「未対応」で「優先度:高」と判断された場合は、すぐさま「至急提案」を行うといったように、洗い出したリスクを具体的な次のアクションへ直結させ、一つひとつ確実に「敗因の芽」を摘んでいくアプローチがコンペの勝率を劇的に高めます。


 現場経験から言えること