【営業の思考】あなたの営業スタイルは「ハンターかファーマーか?」

営業の思考(コラム)

本記事では、ハンター/ファーマーという営業スタイル論を入り口にしながら、営業活動を構造化して理解することの重要性を解説します。

営業スタイルに振り回されず、状況に応じて最適な判断を下すための“営業思考のフレームワーク”を整理することで、再現性のある成果につながる視点を得られるはずです。

営業経験の浅い方はもちろん、長年営業を続けてきた方にとっても、自身のスタイルを再定義し、営業活動をより体系的に捉え直すきっかけになる内容です。


私自身、外資系企業の面接では、「あなたの営業スタイルはハンター型か、ファーマー型か」という質問がよく投げかけられました。

動く獲物を追いかけるハンターと、作物を育てるファーマーという比喩は、営業のアプローチを分かりやすく説明するためのものです。新規開拓を得意とする人はハンター型、既存顧客を深耕する人はファーマー型といった分類は、営業の世界では広く浸透しています。

しかし、30年以上の法人営業の経験を振り返ると、この分類だけでは説明しきれない場面が多く存在します。新規開拓の局面でも、既存顧客の深耕でも、状況によって求められる判断や行動は大きく異なります。

つまり、営業成果を左右するのは「どちらの型か」という固定的なスタイルではなく、営業活動をどのように体系化し、どのような判断軸を持って行動するかです。

あたなの営業スタイルは、ハンターか、ファーマーか?

ハンターの例(フィクション)

「ハンターか、ファーマーか?」という質問の背景には、おそらく「ハンター型」の方が新規開拓営業としては優れているという、思い込みがあるものと推察します。天性の嗅覚、つまり、獲物の見極めと仕掛けるタイミングについて、ファーマーにはない優れた性質を持っているという思い込みです。


ハンターもファーマーも本質は同じ

どちらも、獲得までの道筋を描くために

  • 必要な情報を整理し
  • 状況を分析し
  • 最適な戦略を立て
  • その戦略を実行するための準備を積み重ねています

「ハンター型」という言葉からは、鋭い嗅覚や本能で獲物を仕留めるイメージが連想されがちです。しかし、実際に成果を出す人は、ハンター型であれファーマー型であれ、例外なく自分なりの“型”を持ち、それに基づいて判断しています。

たとえば、ハンター型の人が「獲物の見極め」や「仕掛けのタイミング」を重視するのは、瞬間的な勘ではなく、過去の経験から形成された判断基準があるからです。ファーマー型の人が顧客を育てる際も、同じように情報整理と戦略設計を行っています。

ハンター型かファーマー型かという営業スタイルの違いは、営業を理解するうえで分かりやすい枠組みではあります。しかし、30年以上の法人営業の経験を通じて実感してきたのは、成果を生み出す人ほど、スタイルそのものよりも、成果への道筋をどう構造化して捉えるかに意識を向けているという事実です。

新規開拓でも既存深耕でも、必要なのは本能的な勘ではなければ、天性的な才能でもありません。必要とされるのは、情報を整理し、判断軸を持ち、戦略を設計し、準備を積み重ねるという共通のプロセスです。ハンターであれファーマーであれ、成果を出す人は例外なく自分なりの「型」を持ち、それを愚直に実践しています。

営業スタイルはあくまで表面的な分類にすぎません。営業を構造化して理解することで、再現性のある成果を生み出すための判断が、より確かなものになっていきます。