営業プロセスの段階における必須アクションを網羅的に解説|各ステージで何をすべきか

営業の構造化アプローチ

営業の構造化アプローチ(第7回)

営業プロセスをステージに分解することは、単にプロセスを区切ることではなく、各ステージで「何をすべきか」を明確に定義づけ、行動の質を揃えることこそが核心です。

本記事では、その具体的な「やるべきアクション」を整理していきます。まずは、営業プロセス全体を俯瞰した次のイラストを見てください。営業プロセスを、以下の6つのステージに分類しています。

潜在顧客の探索 (Prospecting)
見込み客への絞り込み(Qualifying)
商品提案(Proposal)
成約に向けた障害の特定と解決(Handling Objection)
成約(Closing)
関係維持・解約防止(retention)

各ステージにおける適切なアクション

業種やビジネス慣行によって細部は異なりますが、ここでは一例として、各ステージで求められる代表的なアクションを紹介します。

潜在顧客の探索 (Prospecting)
まだ面識のない潜在顧客との接点を作り出し、初回面談に繋げるための最初のアクション。考えられる手段を広く洗い出し、より効果的なオプションを模索する段階。

  • 公開情報等による抽出:公開情報を活用して条件に合致した企業の洗い出し
  • コールドコール:代表電話番号へ飛び込み連絡を行う
  • 他部署からの紹介:すでに面識のある他部署の担当者からの紹介
  • イベント・外部ネットワークの活用:過去のイベント参加などで多少の接点がある顧客への電話やメールでのアプローチを試みる

見込み客への絞り込み(Qualifying)
初回面談に至った顧客の中から、ビジネスとして進展が見込める相手を見極めるステージ。商品紹介に急がず、顧客に関する情報収集と分析が鍵となる。

  • 顧客の課題と潜在的ニーズの把握:公開情報や直接のヒアリングをもとに、顧客が抱える課題や顕在化されていないニーズを掴む
  • 取得情報の分析、仮説構築・検証:取得した情報を分析し、顧客の課題についての仮説をたて、それをもとに更なる情報収集を行う
  • 潜在ニースに合致した商品の絞り込み:以上のサイクルを経た後に、潜在ニーズに合う商品を絞り込んでいく

商品の提案(Proposal)
正式なプレゼンテーションであれ、担当者への非公式な商品紹介であれ、ようやく自社商品を紹介できるステージ。顧客ニーズと提案内容の整合性を保ち、適切なメッセージをストーリーとしてを伝えることが重要。

  • 提案商品と顧客ニーズとのギャップの把握:顧客ニーズを100%満たす商品の存在は稀。ギャップを把握し、対策を考える
  • 自社商品の強味を訴求:「我田引水」的な説明を回避するため、訴求ポイントは複数準備し、顧客に「刺さる」ポイントを繰り返し説明する
  • 競合分析:競合するライバル社とその会社が提供する商品との相違点と差別化ポイントを幅広く比較考量する
  • 一貫したメッセージングの設計:我田引水に陥ることなく、商品提案全体を貫くメッセージを特定し、理解しやすいストーリーを構築する

成約に向けた障害の特定と解決(Handling Objection)
成約確度を高めていく極めて重要なステージであり、敗因の可能性の高い要素から優先的に繰り出すことが大切。法人営業(B2B)では意思決定プロセスが多層的なことから、提案後のプロセスが長くなりがち。この段階での対応が勝敗を左右するといっても過言ではない。

  • 提案後の情報収集とフォローアップ:提案の場で出た相手の質問や疑問に答えるだけでなく、その背景にある懸念を探るための情報収集を継続し、適切なフォローアップを行う
  • 障害要因・交渉ポイントの洗い出しと特定:致命傷となりうるファクターをできるだけ多く洗い出し、重要度を特定する
  • 解決策の準備と実践:上記の解決策についても複数準備し、優先度の高いものから実践していく

成約(Closing)
商品購入が内諾された後、契約締結や納品をスムーズに進めるためのアクション。営業はオンボーディングの「差配者」として機能する必要がある。

  • 社内リソースの適切な活用:社内の関連部署を成約に至るまでの経緯や顧客ニーズを漏らすことなく伝え、必要な社内リソースを効率的に活用する
  • 外部委託先との緊密な連携:一部を外部に委託している場合も、連絡を密にし、責任をもって作業工程を確認する
  • アフターサービスや定期報告内容の確認:商品に付随するアフターサービス(または顧客サービス)や、定期的な報告が求められている場合の内容について確認する

関係維持・解約防止(retention)
長期的な契約維持、解約防止、トップアップ・クロスセルを狙うためのステージ。長期対応となるため、継続的かつ計画的なアプローチが求められる。。

  • 関係構築・深耕:関係を深めることで、潜在的な顧客の新たなニーズを見出すだけでなく、不満や懸念を早期に把握する
  • ダメージコントロール:顧客からの潜在的な不満や懸念に対し、その背景にまで理解を薦め、丁寧かつ誠実な対応を図る
  • トップアップ・クロスセル:前述の❷から❺のプロセスを基本としつつ、これまで培った関係性をレバレッジ(活用)し、新たな成約の確度を高める

以上が各ステージに求められる代表的なアクション例です。次回以降では、これらのアクションをさらに深堀りし、実務でどう生かすかを解説していきます。