【営業の思考】「掛け算思考」で見る成果のメカニズム|営業と運用の共通点

営業の思考(コラム)

掛け算思考ーーー。
このブログの主旨、「構造×思考」も掛け算です。営業は、複数の要素で構成されているだけでなく、それぞれが掛け算の関係で成り立っていると思います。

単なる「質×量」の足し算では見えてこない、要素同士の相乗効果を解き明かすことこそが、営業成果を劇的に変える鍵となります。

この記事では、30年超の法人営業の知見をもとに、資産運用の「アクティブ運用」から着想を得た私独自の3要素(仮説係数・遂行係数・顧客接触回数)を例に挙げながら、営業に求められる「構造的思考」について分かりやすく紐解きます。

要素をバラバラに捉えるのではなく、どう掛け合わせて成果へ繋げていくべきかの思考法を学ぶことで、自分自身やチームの営業活動をロジカルにアップデートできるようになります。

組織を率いるマネージャー層はもちろん、日々の営業活動に深みを持たせたい担当者の方にとっても、思考を整理し実践へ活かすための一助となれば幸いです。


私がこの「掛け算思考」の重要性に気付いたのは、実は営業の現場ではなく、私が従事していた資産運用の世界からの教えでした。

運用手法のなかには、ベンチマーク(指標となる市場指数)を上回る収益率の獲得を狙う「アクティブ運用」というものがあります。このアクティブ運用の成果は、次の3つの要素の掛け算で決まるとされています。

アクティブ運用の成果は、これらすべての要素から同時に影響を受けます(※正確な数式では、意思決定回数はそのものではなく「回数の平方根」が使われます)。

資産運用に馴染みのない方のために、それぞれの要素を少し噛み砕いて解説します。





これら「予測の精度」「伝達の純度」「試行の母数」の3つが掛け合わさることで、初めて確固たる運用成果が形作られます。そしてこの構造こそが、営業という仕事を紐解く最大のヒントになるのです。


資産運用における「成果の方程式」を見たとき、私は直感的に「これは営業成果の構造とまったく同じだ!」と確信しました。さっそく、先ほどの3要素を営業のアナロジー(見立て)に置き換えてみましょう。

これら3つの要素について、自分自身のスキルアップを目指す営業担当者と、チームを率いるマネージャー、双方の視点から詳しく解説します。





以上のロジックは、まさに当ブログで繰り返し述べている「営業担当者個人と組織のシームレスなプロセス構造(構造化アプローチ)」、つまり「構造×思考」そのものです。

この3つの要素を厳密に数値化することは簡単ではありませんが、決して抽象的な概念ではなく、構造化アプローチによって十分に体現・再現できるものだと私は考えています。



営業を構成する要素はそれぞれが独立しているわけではなく、互いに掛け合わされながら一つの成果へと至ります。どれか一つが突出していても、他の要素が弱ければ全体の成果は伸びません。逆に、複数の要素が一定の水準を超えて揃ったとき、営業成果は一気に跳ね上がります。

このように営業は、「どの要素を、どのように掛け合わせるか」という構造的な思考が求められる仕事と言えるでしょう。

  • 仮説係数:プレイヤーの思考の質
  • 遂行係数:組織として実行する体制
  • 顧客接触回数:成果として回収する機会

これら3つの要素からなる掛け算構造を正しく理解し、「今、どの要素が機能していないのか」を常に検証しながら強化を図る。この構造的な思考こそが、営業の再現性を高め、成果を持続的に向上させるために必須のアプローチだと私は信じています。