営業の構造化アプローチ(第3回)
第1回:営業の悩みは”構造×思考”で解決できる
第2回:営業の再現性が失われる理由
第3回:バラバラの営業を再現可能な型に変える方法(この記事)
第4回:営業をステージで設計する
第5回:営業の構造化が失敗する3つの理由
第6回:営業ステージを分類する具体的な方法
そもそも営業を構造化するとはどういうことなのでしょうか?前回の記事では「体系化」という言葉も使いましたので、まずは体系化と構造化の違いから、私なりの整理をお伝えします。
Q:体系化と構造化は何が違う? ー バラバラの情報を分類・統合する2工程
体系化と構造化には、それぞれ役割があります。その違いを中心に次のように整理してみました。
体系化 :要素を見つける工程
バラバラに存在する情報を整理して、共通性や関係性に基づいて構成要素へ分類・統合すること。個々の営業担当者が実践している行動を整理分解し、整理することで、営業プロセスを構成する要素を明らかにします。
構造化 :要素を繋げて仕組みにする工程
体系化によって整理された構成要素を分析し、構成要素間の関係性を明確にすること。統合された要素を相互に関連付け、因果関係や流れを分析することで、営業プロセスが仕組み(フレームワーク)として機能する構造をつくります。

Q:なぜ体系化と構造化が必要なのか? ー 営業を全体最適で捉えるために
私のブログで繰り返しお伝えしている通り、営業力を高めるには営業テクニックという「部分最適」ではなく、営業プロセス全体の「全体最適」を目指すべきであり、営業をどのようにデザイン・設計していくかを中心に考える必要があると考えています。そのためには、営業を分解して何が構成要素になっているのかという、いわば「営業活動の棚卸しと整理」をし(体系化)、次にそれらの要素を組み立てて仕組み=型(フレームワーク)にする(構造化)という作業が必要になります。
関連記事
営業テクニックは川の流れの末端「川下」に位置づけられ、上流の「川上」である営業フレームワークの影響を強く受けます。この両者の関係性は、『営業の本質は「川上」にある』にまとめています。
Q:Structured Sales Approach(構造化された営業)とは?
「営業の構造化」は、海外では”Structured Sales Approach”として知られています。一般的には次のように説明されています。
A structured sales approach is a documented, step-by-step framework that guides sales teams from prospecting to closing, replacing improvisation with a repeatable process.(構造化された営業アプローチとは、見込み客開拓からクロージングまでを導く、文書化されたステップバイステップのフレームワークであり、行き当たりばったりの営業を、再現可能なプロセスへと置き換えるものである。)
つまり、見込み客の獲得から成約(マンデート獲得)までの手順を定義、標準化し、一貫性のある再現可能なものにする手法のことです。当ブログで紹介するのは、一般的な(難解な?学術的な?)理論ではなく、私自身の経験から考案した構造化アプローチです。
Q:営業活動をどう分解するのか? ー 全体最適のための構成用を特定する
構造化の目的は、営業を複数の構成要素に分け、各構成要素に応じて適切な対策を打てるようにすることにあります。構成要素としては段階(ステージ、フェーズ)が一般的ですが、機能や組織、セグメント等、他の軸で分けても構いません。
法人営業では、①ステークホルダー(利害関係者)が複数あり、②意思決定のプロセスが長期かつ複雑であるという特徴があるため、長期にわたる営業プロセスを複数のステージに分解して、これを構成要素とするのが一般的です。このステージ管理を「ロードマップ」という形で可視化し、そのプロセスに沿って適切な対応や会話、提案、アクションをすることで、営業は「行き当たりばったり」から「再現可能なプロセス」への変わっていくことが期待できます。


