営業に携わる人なら、誰もが営業戦略の策定という場面に直面します。それは営業チームであれ、営業担当者個人であれ、いまや営業戦略は必要不可欠なものとして扱われています。しかしーーー、私の知る限り、戦略と呼べるレベルに達しているものは、そう多くはありません。ほとんどは、単なる目標や願望の羅列であったり、計画書のようなものにとどまっています。
営業戦略はどうやって作るの?
このテーマは、あまりに深淵すぎるし、古今東西、数多くの書物が溢れています。まるで戦略インフレの様相すらあります。ですから、あまり深入りはせず、ここでは、私なりの営業戦略の立て方をシンプルに表現しみたいと思います。
結論はこれです。
営業戦略とは「組織の目標と具体的なアクションプラン(施策)を結びつけるもの」です。
目標とアクションプランの間に幾つかのプロセスが介在しますので、それらを順番に整理する必要があります。流れは以下の通りです。
- 目標の設定
- 短期・長期を問わず、具体的で実行可能な目標を置きます。壮大な夢や願望ではなく、現実に落とし込めるレベルで定義します。
- 現状の把握
- 目標に対して現状を正確に理解する必要があります。目標と現状のギャップを埋めることが戦略の要諦になります。
- 目標を達成するための課題・障害の抽出
- 目標が達成されていないのは、必ずその達成を阻む課題や障害があるはずです。戦略を立案するときには、その課題・障害物を徹底的に洗い出す作業が極めて重要になります。
- 課題はリソース不足だけではありません。ステークホルダー間の利害の衝突だったり、外部環境の変化や競合他社の存在だったりします。とにかく、あらゆる角度から、思いつくだけ洗い出して、関連のあるものは同一のカテゴリーにまとめてみましょう。
- 課題を解決するための施策の創出
- 洗い出した課題を解決するための施策を考えますが、一つの課題に対して複数の解決策や対策を考えます。解決方法は、できるだけ異なる見地から考えてみましょう。
- 例えば、課題が3つあり、それぞれの課題に対する解決策が2つあるとすれば、全部で3×2=6の解決策が存在することになります。
- 施策の優先順位付けとロードマップの作成
- これらの課題について、重要性や緊急性、インパクト等の基準でどれから着手すべきかを明確にします。
- 最後に優先順位に基づき、時系列のロードマップ(行動計画)を作成します。解決策の実行に時間を要するものであれば、期限を数年先に設定したり、緊急性の高い施策は即時に着手する配置をします。
これを図に表すとこのようになります。

上記の流れは、単純化されていますが、戦略と呼ばれるものに共通した策定手順ではないかと思っています。別の記事でシリーズでお伝えしている「営業の構造化アプローチ」も、基本的には同様の考え方とプロセスがもとになっています。漠然と「営業戦略を考える」のではなく、こうした流れ・プロセスという手順を踏んで考えることが肝要です。「可視化」、「言語化」にもつながり、説得力のある営業戦略の策定につながるのではないでしょうか。
「営業の構造化アプローチ」については、ぜひ以下のシリーズをご覧ください。
第1回:営業の悩みは”構造×思考”で解決できる
第2回:営業の再現性が失われる理由
第3回:バラバラの営業を再現可能な型に変える方法
第4回:営業をステージで設計する
第5回:営業の構造化が失敗する3つの理由


