【営業の思考】営業マネージャーに本当に必要な「3つの役割」とは?

営業の思考(コラム)

単なる精神論や抽象的なリーダーシップ論ではなく、構造化アプローチをもとに成果を出し続ける「強い営業組織」を作るための具体的な実践ステップをお伝えします。

マネージャー自身の「資質」と、組織で果たすべき「役割」の全体像については、以下の別記事でも詳しく体系化しています。本稿と合わせて読み進めることで、マネジメントの構造がいっそう深く理解できるようになります。


役割 ❶:営業戦略の立案・実行・管理

  • 会社の中期・短期経営計画を踏まえ、営業部門としての戦略策定
  • 目標達成を阻む要因を洗い出し、その解決策の優先順位に基づくロードマップ(実行計画)の作成
  • ロードマップに沿った戦略の着実な実行(インプリメント)と、状況変化に応じた臨機応変な戦略の見直し

役割 ❷:組織内マネジメント(ピープルマネジメントを含む)

例えば、営業への理解が浅い若手社員に対しては、実務に直接介入して手厚く指導する「ハンズオン」でのサポートが必要です。その一方で、中堅担当者には裁量を与えて自主性を重んじる「ハンズオフ」での対応を基本とします。このように個々のスキルに応じたアプローチを使い分けつつ、組織全体として営業フレームワーク(共通の仕組み)に則った活動ができているかを管理することが求められます。


役割 ❸ 外部関係者との関係構築・利害調整

営業戦略は、会社の全体最適な経営方針に基づいているとはいえ、他部署の視点からは「営業の自分本位な内容」と捉えられてしまう可能性もあります。

 現場経験から言えること

本記事では営業マネージャーに求められる3つの重要な役割を解説してきましたが、私の30年の現場経験において、これらすべてを完璧にこなせるマネージャーは極めて稀です。人間である以上、マネージャーにも必ず得意・不得意(得手不得手)が存在するのは自然なことです。

だからこそ、営業マネージャーが組織のパフォーマンスを最大化させるためには、次の2つのアプローチを常に意識する必要があります。

自分の役割の明確化:自分自身が営業マネージャーとしてどのような役割を担っているかを部下を含む内外関係者に明確に示すこと。
弱みの認識と他者への委譲:自分の不得意な領域を客観的に認識し、その領域に強みを持つ信頼できるメンバーに任せるなど、組織全体で補完し合う体制を取り入れること

優れた成果を出すマネージャーの傍らには、必ずその弱みを埋める「右腕」となる存在がいます。自身の得意領域をさらに磨き上げる一方で、不得意な領域は周囲の力を借りて補完する。これこそが、組織全体の運営をスムーズに前進させ、強いチームを作るための現実的かつ強力なマネジメント手法です。

本記事では、営業マネージャーが現場で果たすべき3つの重要な役割について解説してきました。

  • 役割 ❶:営業戦略の立案・実行・管理
  • 役割 ❷:組織内マネジメント(ピープルマネジメントを含む)
  • 役割 ❸:外部関係者との関係構築・利害調整

繰り返しになりますが、これらすべてを1人のマネージャーが完璧にこなす必要はありません。大切なのは、自身の得意領域を最大限に活かしながら、不得意な領域は「右腕」となるメンバーや周囲のリソースを頼って組織的に補完し合うことです。

「自分がすべてを背負わなければならない」というプレッシャーから脱却し、仕組みとチームの力で成果を最大化する。これこそが、「強い営業組織」を作るための本質的なアプローチです。

まずはご自身の現在の役割や得意・不得意を客観的に見つめ直すことから、第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。